今年一番好きだった恋の思い出話
こんばんは、SEN(@sen_hej)です。嬉しいことにリア充な日々が続いていてネタがありません。pairsも活動してません。アカウントが死んでいます。一途ですからね…。でも幸せなエピソード書いてもつまらないでしょう…???早くいけがみに相席屋に連れてってもらいたいです。おしゃべりしたいです。みんなの面白い話がききたーーーーい!!うぇいうぇい★(殺)
ということで(?)、2015年、SENの一番心に残った、飲みの席で聞いた恋愛話を公開したいと思います。
この方、お話するの上手だったので、SENは焼鳥ほおばりながら3時間くらいずっと真剣に聞いてました。SENはその人がどう生きてきたか聞くのが大好物なんですよ。一人ひとり全く違った人生を歩んできていて、それに触れることで、目の前のその人が今そう在る理由が少しわかるから好きです。距離が近くなった気がします。
どんな人生でも、偏見とかは特に持つことはなく、聞けただけでうれしくなる単純な人間です。何があったっていいじゃない。どんな経験だって無駄にはならないと思っています。
今回は、全力で一人の女性を愛した、現在も女々しい友人のお話です。
ストーリーテラーのお話の始まり |
僕はあんまり自慢できる人生を送ってきていないんだ。小さい頃から、叔父に世話になって生きて来たんだ。父親は捕まってるし、母親は毎晩僕と兄がいるのに若い男を自宅に連れこんでいる。そんな彼女を親だと思ったことがないし、思いたくない。
兄は引きこもりで、なんかどこか地方の施設みたいなところで暮らしてるみたいだけど、何してるか知らないし、もう何年も会ってない。
僕はこんな性格だし、あんまり人に弱い所とかを見せられない。みんなを笑わせたり、喜ばせることをするのが好きだから、あんまりその印象を崩したくなくて、余計に悲しいところとか見せられなくなった。
会社で働き始めてから、親友となんとなく合コンを開催した時に、一人の女の子と出会ったんだ。
彼女は見た目はキレイでおとなしそうな子だった。最初はそれくらいの印象だったんだ。なんとなく皆で仲良くなった後に、そのまま4人でカラオケに行くことになったんだ。
僕がマキシマムザホルモンを歌い始めたら、隣からデスヴォイスが響いてきてびっくりしたよ。彼女がマイクを持ってダイスケはんとして応戦してきたんだ。
その時、僕は、恋に落ちたんだ。
「彼女しかいない」って。
そう思ってから、必死にご飯に誘って、ご飯だけ一緒に食べて解散のパターンを繰り返した。5回ご飯を食べるごとに、1回告白した。毎回あっさりと断られたよ。でも不思議とめげなかったんだ。
そんな日々が1年くらい続いたんだ。「今日こそ決める、だめなら諦める。」そう心に決めた日を迎えることになった。
いつものようにご飯を食べた後、「ちょっと行きたいところがあるんだけど…」と言って、僕が一人になりたい時によくいくお気に入りの、海が見える公園のベンチに2人で腰かけて他愛もない話を始めたんだ。その日は寒かったし、彼女に「コート貸そうか?」なんて聞きながら、楽しく話をした。
そして、とうとう、僕は何十回目かの告白をした。
それと同時に、激しい尿意を感じたんだ。
その日は寒かったからね。
あろうことか、その日に限って、彼女は悩み始めたんだ。「どうしよう…」
僕もどうしような状態だった。
彼女が悩んでいる間、「いっそのこと早く振ってくれ」と思うまでに尿意は激しくなっていったんだ。
なんで今日に限って悩むんだ。死ぬぞ、横で爆発するぞ。そう思いながら彼女の結論を真剣な顔をしながら待ったんだ。
それでも悩み続ける彼女を前にして、生死がかかっている僕に名案が舞い降りたんだ。
「じゃあさ、じゃんけんで僕が勝ったら付き合って」
顔をあげて、僕の方を向き、少し考えた後、彼女はうなづいたんだ。
「じゃーんけーん、ぽん!」
僕たちは、こうして、付き合うことになったんだ。その直後のことは尿意が解消されるまではあまり覚えていない。
僕は彼女を愛していた。彼女も僕を大切にしてくれた。赤いソファと小さなベッドを買い、食器を2つずつ買って、僕らは一緒に住み始めた。お金はなくても幸せだった。
少し経つと、僕は会社でいじめられるようになった。終わりの見えない業務と、会社の人からの悪口や嫌がらせが毎日続き、心が疲れてしまったんだ。それでも家で待つ彼女のために黙々と働いていたんだ。
彼女にはそんな姿を見せまいと、医者に通い、薬をもらって生活をしていた。
ある日、耐えられなくなってしまい、彼女の前で泣いてしまった。彼女は「なんでこんなになるまで頼ってくれなかったんだ」と悲しんだ。僕は、こんな性格だから、君につらいところを見せたくないんだ。そう言いながらも、涙は止まってくれなかった。
会社を辞めようと思った。でも辞めたら、彼女とはもう一緒にいることもできないと思った。なぜか僕はそう思ったんだ。弱い自分を見せたくなかったのかな。
彼女と別れたくなかったから、仕事を続けていたけど、もう限界が来たみたいだ。僕は辞表を出して逃げるように会社を辞めた。
同時に、彼女に別れを告げた。
独りで病気と向き合って立ち直らなきゃと思った。彼女をそれに巻き込みたくなかった。だから「別れよう」と伝えた。
彼女には理解してもらえなかった。一緒にいたいと言ってくれたけど、今の状態では彼女を大切にできる自信がないから僕の方から断ったんだ。彼女は泣きながら家を出ていった。
独りになった僕は、立ち直るどころか、死ぬことしか考えられなかった。夜も寝れなくなり、睡眠薬を処方してもらった。睡眠薬を一度に大量に飲めば死ねるらしい。
大量の睡眠薬を口に放り込み、死ぬのを待った。意識が遠のいてきた。ああ、もうすぐ死ねるんだ、そう思ったら、最期にどうしても彼女に会いたくなった。
ピーンポーン
ドアが開く音がして、気が付くと泣いている彼女が目の前にいたんだ。どうやら僕が電話をしてしまったらしい。彼女は泣きながら怒った。「二度とこんなことはしちゃだめだ」と僕に言った。
僕はここで死んでしまえばよかったんだと思う。
死にそうになれば、彼女が来てくれる。そう思ってしまったのだ。自分から別れを告げたのに。
その後、何度か同じことを繰り返したんだ。その度に彼女は来てくれた。そして僕を叱ってくれたんだ。
こんなことしててももうあの頃には戻れないのに。そう思いながらも僕はまた大量に睡眠薬を口に入れ、彼女に連絡をした。
ピーンポーン
やっぱり来てくれた。
ドアを開けると、そこには警察がいた。
僕が、彼女にストーカー行為をしていると警察に通報があったらしい。そんなつもりはなかったんだ。彼女に迷惑をかけているのは頭ではわかっていたのに、どうしようもなかった。
朦朧とした意識の中で、警察に厳重注意をされ、「もう、彼女はここには来ないんだ」という現実を突きつけられた。
そこから、誰にも頼れないまま、なんとか今の会社で働けるくらいまでには復活したんだ。彼女には元気になるまで連絡を取るまいと決めて。
ある日、ふとしたきっかけで、一緒にあの合コンに行った友人から彼女の話を聞いた。彼女は、あの時警察に、僕を助けてくださいって言ったことを。
決してストーカーされていると言ったわけではないこと、彼女には僕を助けてあげることができないから何とかしてほしいということを伝えていたのだそう。
僕は、彼女を誤解していた。
そして、1年ぶりに連絡をした。
「最後に一度だけ会おう」と。
僕と彼女は、あの頃のように、同じ海の見える公園のベンチに2人で腰かけたんだ。久しぶりに会った彼女は変わっていなかった。僕が愛していた彼女のままだった。僕は一連の出来事を話し、謝った。信じられないことに、彼女はまだ僕のことを愛してくれていた。それでも、僕は言った。
「最後に、じゃんけんをして別れよう」
僕たちは別れた。僕はまた、君を迎えにいくことができるような男になったら、君にまたじゃんけんを挑みにいくよ。そう伝えて、別々の道を歩むことにしたんだ。
まとめ |
多少端折った部分はありますが、なんだか映画にできそうな内容に、聞いてたSENはドキワク★してしまいました。ちなみにSENはこんな恋愛したことありません。人によっては怖いかもですね。SENは物語を聞いているようでした。
別れる時になんでじゃんけんしたのかも知らんし、どっちが勝ったのかも知りません。
元カノのことが忘れられない女々しい友人で、いつもそのネタでいじってたのですが、そんな背景があったのかぁ、と1日だけいじるのをやめました。
この話を聞いた翌週くらいに、
「元カノの歯ブラシ捨ててやったぜ!!!洗面台磨いてから捨てたぜ!!」ってどや顔で言ってました。
一歩ずつというより、1mmずつくらいの進み具合ですが、前に進めているようで何よりです。微笑ましい。
次は、相席屋より、銀座に面白い人を探しに行く話のが先になりそうです。それではまた。
よければこれからも幾SENに遊びに来てください^^